2017年5月9日火曜日

【宮下公園 3/27-28 弾圧】ご参集ありがとうございました! 勾留理由開示公判(4月13日)御礼と報告

御礼がものすごく遅くなってしまいましたが、4月13日に開かれたDさん・Eさんの勾留理由開示公判、平日にもかかわらず、朝から約50名ほどが駆けつけてくださいました。本当にありがとうございました! 簡単ながら、公判当日の報告です。
 
 
 
公判の時点で逮捕から約2週間が経過し、公判は二人に直接会える貴重な機会でした。野宿者の叩き出しを平然と行う渋谷区行政の無法ぶりはみてみぬふりで二人を連れ去り監禁した警視庁、二度目の勾留を請求し閉じ込め続けている東京地検、ほいほいと勾留請求にハンコをついた裁判官の横暴を、衆目監視のこの公判でハッキリさせねばなりません。
 
なのに 430 号法廷の傍聴席はたったの20。やむなく、救援会より「渋谷の仲間と救援会メンバーに傍聴券を譲ってほしい」とお願いし、Dさん公判は20席分、Eさん公判は16席分、みな快く譲っていただきました。中には推定片道3時間の遠方から駆けつけてくださった方も。なのに救援会、必死のあまり、まるで傍聴券カツアゲ状態となり本当に失礼いたしました。ご協力、誠に有難うございました! 

   *  *  *  * 

Dさん公判は、午前11時開廷。宮下公園を寝場所にしていた野宿の仲間を始め総勢15名ほどが朝から渋谷に結集、いざ霞ヶ関へ。山谷からも続々と仲間が応援に。そして宮下公園強制封鎖と不当弾圧に関心を持ってくださった多くの方が集まってくださいました。そして、渋谷の仲間を先頭に、20名が傍聴へ。あぶれた仲間は地裁前でビラまき、渋谷区の非道、オリンピック再開発追い出しの問題を大アピール。横断幕でカラフルに飾り付け。地裁警備員が一度シカメ面で来ましたが何も言われず。通行人からは「ああ、宮下公園の!」と反応も上々。 
 

 
 
 
ポカポカ陽気のせいで、一人二人と地裁前の路上でゴロゴロしながら待つこと約一時間半、傍聴に入った仲間が口々に「あれはひどい」「とんでもねぇ裁判官だ」とボヤキながら帰ってきました。裁判官がとにかくひどかったとのこと。

【Dさんの意見陳述はコチラ→ 勾留理由開示公判での Dさんの意見陳述 

さっそく路上で傍聴報告会。二人の弁護士さんからも「これまでで最悪の裁判官」、「反論すると『それは侮辱ですか?』と、まるで話にならない」と。肝っ玉小せえ裁判官だなあ~。とはいえ、傍聴に入った皆から「Dさんは元気だった!」とのことでひと安心。

と、ここでササッとコンパネを運び出し、いつもの共同炊事スタイルで、昼メシ準備開始。準備の間にも、渋谷署に移送されるDさんに聞こえるかもと、地裁前で二手に分かれ、移送車に向けて激励行動。 

 
メニューはなんと豪華、カツカレー! 前日夜、渋谷のみんなでせっせとカツ揚げ作業をし、カレーとご飯は山谷の仲間の心のこもったお手製です。コンパネにずらりと丼を並べ、
カツカレーで勝利するぞ!とみなで気勢を上げました。夢中で食っていると隣りで情宣していた狭山事件再審請求裁判のみなさんが「おいしそう」「俺にもくれよ」とニコニコ。カンパをいただいたり激励してくださいました。

メシの後は、近くの日比谷公園で、さんさんごご、のんびり昼寝など。Eさん公判にそなえます。 

そして15時、地裁前に再結集。次はEさんの勾留理由開示公判です。新たに何人も駆けつけてくださり、傍聴券抽選に約60名となんと3倍もの倍率に。東京地裁、傍聴席ふやしてくれよ…!

宮下公園が封鎖されるまで公園内に寝泊まりしていたEさん。封鎖で締め出されたその当日、渋谷区公園課との深夜に及ぶ交渉で寝ることを認めさせた公共地で、翌朝、事件は起こりました。以下、Eさん公判の傍聴報告です。 

   *  *  *  * 

Eさん入廷。ちょっと顔色が冴えない気もしましたが、傍聴席を見てニッと笑う。ややスマシ顔。裁判官は、どうやら午前中のDさん公判と同じ人物。Eさん、氏名を聞かれるがビシッと黙秘。なのに裁判官、名前を呼び始める。びっくり。おかしいぞ! そして検察官はなんと不在。欠席!?

まずは弁護士より求釈明。Eさんを逮捕した警察がこさえたらしい「被疑事実」は、だらだらと長ったらしく誰がいつどのように何をしたかがよく分からない、思わず添削したくなるような文章。のじれんの正式名称、「渋谷・野宿者の生存と生活をかちとる自由連合」の「生活」をわざわざ二重線で消して「自由」と訂正入れるなど、変な間違いしているし…。

「被疑事実」によれば、Eさんが区庁舎入口付近に寝ているところに施設管理権を持つ渋谷区経理課長が移動を求め、これにEさんが激昂し課長をなぎ払い倒した、ということにされています。その文章のひとつひとつに、「これは、このような意味ですか?」と確認する弁護士に、「本人及び関係者の供述により判断しました」とひたすら繰り返す裁判官。一部再現しますと、 

弁護士「区役所の入り口に寝ていた、とありますが、これはEさんがということですか? どのように判断したのですか?」
裁判官「本人及び関係者の供述により判断しました」 
弁護士「本人の供述? おかしいですね」
裁判官「本人及び関係者の供述により判断しました」 
弁護士「関係者とはどなたですか? 経理課長ですか?  事件が生じたとされる10時8分に、Eさんはそこにまだ寝ていたということでしょうか?」 
裁判官「回答の必要はありません」 

木で鼻をくくったような回答に終始した裁判官。 
これを受けて、弁護士からの意見陳述。 

「本件は、27日、冷たいみぞれが降る中、宮下公園を追い出された野宿者たちが、かろうじて確保した寝場所において起こりました」
「当時宮下公園に野宿していた被疑者(E さん)も、自身の財産である荷物とアルファ米を入れたバッグを園内に置いて、炊き出しに出かけていました。野宿者の荷物には、時折、撤去予告の貼り紙が貼られていましたが、直近の3月25日付の貼り紙は、4月6日までに撤去することを求めたものでした」

そして、追い出された当日深夜について、

「被疑者(Eさん)は、自身は隣りの公園に寝ておりました」
 
と述べたところで、裁判官の前に控えている書記官たちが、ハッと顔を上げ、チラチラ左右に目を泳がす。でしょ? 「被疑事実」おかしいでしょ?

「本件が起こった28日朝、渋谷区は27日と同様、突然始まった工事について、野宿者たちに対し理由を述べることはありませんでした」
「被害者とされる経理課長も現れ、『あなた方に答える必要はない』というのみで、その場を立ち去ろうとしました。」
「ナイキ化のさいの強制排除をめぐって、国賠訴訟が提起され、かかる渋谷区の行為が違法であることが認められ、野宿者に賠償金の支払いを命じる判決が御庁で出されています」
「しかし、渋谷区は、野宿者には個人の尊厳を無視してよいかのような対応を一貫してとってきました。事前の予告なくだまし討ちに行われた公園封鎖、そして、翌朝の、突然の工事とその説明すらしない経理課長らの対応は、適法な公務とは言えないのではないでしょうか?」

「(公務執行妨害というときの「公務」といえるような行為は、そもそも存在しなかったのでは?)」ということをやんわりと指摘した弁護士の方を見ることもなく、「ハイ、では、Eさんコメントはありますか?」と司会者みたいにそそくさと話を進めようとする裁判官。傍聴席から思わず「(おい! ちゃんと聞いたか?)」とツッコミを入れそうになったその時、「そうですね~」とまるで TV のゲストコメンテーターみたいに、持ち前のデカイ声でその場で話し始めるEさん(笑)。慌てて「前に出てください」とうながす裁判官。

Eさんの意見陳述は、シンプルながら力強いものでした。以下は報告者によるメモ(大意)。

「私は渋谷、新宿、いろんなところで野宿してきたけど、渋谷区の役人の対応は特にひどいですよ。27日の強制封鎖の時だって、何を聞いても一切答えないしね。業務時間内なのにね。渋谷はホームレスに対して本当に差別的なんですよ。人を人とも思っていない。上から目線。こんなひどい区は他にないですよ。言いたいことはそんなところかな」

傍聴席からは一斉に拍手! 悠然と笑みを浮かべるEさんに、「がんばれよ、待ってるぞ!」と熱い声援が飛び交いました。

そして公判翌日の4月 14 日、Eさん原宿署から無事解放!
 

 

Dさんの釈放は週明け 17 日になりましたが、なんとその日に別件再逮捕、浅草署へ移送という、とんでもない展開に…。しかし、 19 日、勾留をつけさせずDさんもおかげさまで釈放! 二人とも奪還したぞ! やったぞ!
再逮捕攻撃をはねのけ、Dさん奪還!→ http://oidashisuruna.blogspot.jp/2017/04/327-28417.html 】